開店18時、<SABOT(サボ)>の扉の向こうでは、すでにお客さんの声が行き交っていた。円山公園駅から徒歩5分程歩いたところにある、イタリア料理店だ。
1998年から夫婦で営む店には常連のお客さんも多く、四季折々の食材を使ったシンプルな味付けで愛されている。
桃と茄子、穴子と梨、帆立ととうもろこしなど、メニューを眺めているだけで、季節を感じる料理が目に浮かぶ。
一見、斬新とも思える組み合わせも、口の中へ運べばおどろきと納得。身体が弾むほど、美味しいのだ。
穴子のグリルと和梨のサラダ。香ばしい穴子の焼き目に、ほんのり山わさびが香る。
徳光珈琲の豆を取り扱い始めたのは、約10年前のこと。徳光オーナーが小池シェフへ渡したサンプルを使ってもらったことがきっかけとなった。
店では、エスプレッソとブレンドコーヒーを提供している。
小池:徳光珈琲の豆は安定感があって、開店当初から使ってるイタリア製のコーヒーマシンとの相性も良かったんです。
開店当初から使用しているイタリア製のコーヒーマシン
ー 相性が良いコーヒーというのは、どんなものですか?
小池:エスプレッソをマシンで落とした時に、液体を包む表面の細かい泡(クレマ)の状態が良いかどうかを見るようにしています。ブレンドコーヒーについては、徳光くんから「これ使ってみたらどうですか」ってマシンに合う豆を選んでくれて、淹れたら美味しかった。味のばらつきがなく、安定して作ってくれる徳光珈琲の豆は安心感がありますよね。選んで良かったです。
さらにドリンクのほか、徳光珈琲の豆を使った自家製ジェラートやアフォガードのドルチェもおすすめ。<さくらんぼのトルタとエスプレッソのジェラート>は、トルタのしっとりとした食感と濃厚ジェラートのまろやかな味わいがマッチして、口の中で上品に溶けていく。
さくらんぼのトルタとエスプレッソのジェラート
SABOTのメニューはとにかく、メニューが豊富。その一つ一つに、小池シェフならではのこだわりが感じられる。料理のインスピレーションはどこからくるのだろう。
小池:開店当初はメニューが少なくて、フレンチや中華のシェフと料理の話をするようになってから、徐々に自分でも新しいメニューを考案するようになりましたね。あとは、本を読み漁って気になる店を見つけたら食べに行って、自分で試してみての繰り返し。
ー 色んなジャンルの料理からアイディアが生まれていたんですね。
小池:そうそう。イタリア料理を食べるより、和食を食べに行ったりとか。その方が、イタリア料理だったらどうしよう?って発想が豊かになるんです。そうした発想から生まれる料理の数々が、「食べたいものを好きなように食べる」自由なSABOTのスタイルにも繋がっているような気がします。
写真左:帆立ととうもろこしのフリット 右:桃と水なす、モッツァレラのサラダ
変わらない味を求めて来てくれる常連さんもいれば、刺激を求めて来てくださるお客さんもいる。
双方の気持ちに応えたいという小池シェフの想いが、豊富なメニューの数々にも表れていた。
小池シェフの探究心を、SABOTのひと皿から感じてみてください。
【徳光珈琲からのメッセージ】
SABOTの小池ご夫妻とも10年来のお付き合いになります。
きっかけはサグラ(現在は余市に移転)の村井シェフからエスプレッソマシーンの調子が悪いのでとご紹介いただいたのがきっかけになります。
北海道ではなかなか取り扱いのない歴史のあるマシンで、シェフの思い入れが詰まっていましたので、修理業者を探してメンテナンスしてもらいました。
シェフの料理は何といっても素材の組み合わせの妙が驚きと感動を与えてくれて、そのイズムも一緒に働いていた元の店舗でやっているsacaeの佐藤シェフなどにしっかり引き継がれています!!
奥様のサービスもとっても素敵で、ワインもすすんでしまいますね。
小池シェフからフレンチのラ・サンテの高橋シェフをご紹介いただき、以来珈琲の取り扱いをいただいていいたりと、繋がりがやはり大切だなと実感します。
マイペースでこれからも美味しい料理とワインをよろしくお願いします!!
〈店舗情報〉
SABOT
札幌市中央区南5条西24丁目1-1キネブチビル1F
TEL: 011-796-6632
※ご来店時は予めお電話をお願いいたします。