本物の珈琲を届ける - TOKUMITSU COFFEE

東チモール紀行2011とその後・続編2012.10.27

ここからが視察本番です。
日の出を見てから時間がもったいなので準備をし早速出発しました。

まず向かったのは、珈琲の樹がワッサワッサとほぼ野放し状態の畑を
抜けて、PWJが新たな取り組みを始めた実験圃場へ。

中南米、アフリカなどでは、生産性を考慮して収量が落ちきる前に、
新たな苗木に植え替えるか、根を残して根元を切り若返りを図って
収量を安定させる(カットバックもしくはプルーニング)方法を取っ
ています。

ところが、現地の農家としては唯一といっていい現金収入のお金のなる樹
をなんで切らにゃあかんの???となかなか理解してもらえません。
そこで、ある区画をPWJが借りて、その手法を実践して効果を実感して
もらおうと動き出しました。

しっかり囲いをしているその中に入ってみると根元から切られている木株
がある程度の間隔で植わっていました。黒い部分です。
黒く焼かれているのは、虫・カビ予防とのこと。
そういえば、ルワンダに行ったときにアフリカンベットといって乾燥棚の
脚が生木のままだと蟻にやられてボロボロになっていて、焼いてそうでない
ところもあったりと管理の差はありましたね。
ちなみにブラックバーン農園は金属製!!に新調してました。さすがです。
手前にあるように2本から3本束になって植わっていることが多く、この
太さからすると樹齢はそこそこあったものと思われます。

先般現地日本人スタッフの方からこんなに成長しました!!というメールが
届いていました。


木株以外何にもなかったところに1年でしっかり生えています!!


だいたい植え替えると3年後から収穫できる状態になります。
ひょっとすると収量は少ないですが来年サンプル程度はいけるかも!?


根元はこんな感じで生えてきます。
切った面から生えてくるのではないのですね!!

この1年の変わりように生産者さん達からもやり方について興味を持って
くれているようです。一度に全部というわけにはいかないでしょうが、
第一目的は果たせているのではないでしょうか!!

さて、時間もないので生産者組合「カフェ・タタマイラウ」の5世帯が生活
している集落ハトレテB(ベ)へ。子供たちがダンスで迎えてくれる。
一番小さい子はかなりやらされ感満載でしたが、そこがまた可愛かった
です。
「Tais(タイス)」と呼ばれている伝統的な織物の名前入りのプレゼント!
(子供達が首にぶらさげている、PWJ事務所のテーブルの上にあったやつ)があり、
現地ではおそらく豪華な食事といった歓迎セレモニーの後、収穫真最中の山中へ。

いやー密集していて樹高が高いです。。。
背丈の2倍はあります。
どやって収穫するの?というと・・・
摘み取る人をピッカーといって、腰に籠をくくりつけて(彼らは肩からでした)
よくシャッターを閉めるときに先端にフック状カギがついた棒で穴に引っ掛
けますが、同じ原理で実がついた珈琲の木にひっかけて手元へ寄せてから
収穫していました。

ノリのいいピッカーはクロスハンドでスイスイ収穫。
でもタバコはマズイッショ!?
さらには子ども達もみんなピッカーなので、こんな感じで・・・木の上に


いや・・・どう見ても大人の足でした。。。   なはは。

見ての通り、真っ赤に完熟した珈琲の実(コーヒーチェリー)の付き具合はまばらです。
ティピカ種のような在来品種は従来から実の付く間隔は、品種改良され
たハイブリットタイプ比べれば広いのですが、それにしても少ない感じ
がします。
木の密集など手入れが行き届いていないので、木自体が樹齢のわりには
やせ細っている状態なので。

基本的には完熟したコーヒーチェリーが素晴らしい酸味や甘み、コクを産んで
くれるので、収穫しているところを見ていたのですが、しっかり完熟した
ものを摘み取っていました!!それでも混じるので収穫した後は、シートを
広げて畑で選別していました。
ある場所では、しっかり別場所でやっていましたね。

膝が痛くなりそー。

しっかり選別してから、袋に入れていざ計量へ!!

その後、水洗いをして果肉除去機(ポーピングマシーン)で果肉と種に分けていきます。
ハンドルまわすと種は入れ物に果肉は真下に落ちていきます。
マシーン!というほどではないですが、インドネシアのよりは効率良いですね!!

種の周りにはヌメリ(ミシュレージ)がついているので
発酵層に入れてバクテリアの活動で取っていきます。


水を使ったものと果汁のみを使う方法とその間の方法があったりするのです
が、行ったときは水を使っているところとそうでないところがあり、サンプ
ルを事務所に持ち帰ってテストローストしたところ・・・

やってくれていたのが、PWJ現地スタッフであり統括的役割のアディーノさ
ん。途中から我々ロースターが代わる代わるサンプルローストしました。
結果、使わない方が良いもしくは差異があまりないということで、少水化の
こともあるので次年度からは水を使わない方法で統一しましょうということ
になりまいた。
んがしかーし!!この間報告会を聞いてみると水使ってました。と。
んーひとつひとつ丁寧にですね。。。


さて、ヌメリを完全に取る方法をフリーウォッシュドといわれていて、
その後乾燥パティオで乾燥させる伝統的な方法を行っています。

珈琲先進国ですとコンクリートやレンガ敷きのしっかりとしたパティオが
専用にあるのですが、行ったときはあいているところでシートを広げて
いるだけの簡易な状態が目に付きました。
今年の報告では、しっかりしたものを作っているところもあるようです。

こうして、乾燥したものをパーチメントと呼びます。
乾燥といってもまだ若干水分が残っているので、水分調整を図るために
レスティングといって、パーチメントを袋に入れて
倉庫に保管します。
数週間から数ヶ月というところもありますが、責任者が毎年タイミングを
見計らって、水分計で水分値をしっかり測ってからトラックで、
外皮を脱穀するために、港近くのドライミルがあるところまで行きます。
果肉をとるところはウェットミルといいますが、手動なので。。。

ここが昨年まで持ち込んでいたところ。
ピーク時は混み合い出荷が遅れる原因にもなっていました。
港近くまで来るということは、外気温・湿度共に上がりなるべく仕上が
るまで時間をかけたくないことから、今年は下の別の場所で行ったようです。

昨年は建設中だったハンドピック場兼生豆保管のナクロマン倉庫(ディリにあるPWJの倉庫)。
昨年はこの建設の遅れもひびいたようですが、今年はあの建設中とは
打って変わってたくさんの方々が仕事をされていました!!


こんなが・・・

こんなに!!!

そして、グレインバック入りの麻袋に今年は詰められていざ日本へ!!
昨年見てきた様々な課題をPWJと一緒になって検証し、その後の追跡を
怠らずに動いたことで、非常に船詰みまで短時間で行えて、今年はより良
い状態で日本に入港したわけです。

さあ、いかがだったでしょうか!?
こうしてみるとつくづく珈琲は農作物だなと実感します。
そんな日本から距離では近い東チモール、ぜひ今年の出来栄えを皆さん
お試し下さい!!!

東ティモール 『カフェ・タタマイラウ』
地域:マリアナ地方エルメラ県レテフォホ郡
品種:在来品種
標高:1500m~1800m
精製:フリーウォッシュト
乾燥:ビニールシートの上で天日乾燥
認証:JAS有機


素晴らしい笑顔で!!

ティピカ種は先端のリーフがブロンズです。


綺麗です!!

ジャスミンのような香がします!!

完熟チェリー

ハンドピック

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