本物の珈琲を届ける - TOKUMITSU COFFEE

Vol.14 徳光珈琲が楽しめるお店【CANTINETTA SALÙS】2022.06.13

リトルイタリアを札幌に。

札幌すすきのと大通りの中間に佇む〈CANTINETTA SALÙS(カンティネッタ サリュ)〉(以下、サリュ)は、オーナー兼ソムリエの福島真理子さんが、イタリアで過ごした想いを胸に2008年に立ち上げたバール。

 

 

福島さんによれば、イタリアには約16万軒ものバールがあるそう。朝から営業している所が多く、日本のコンビニのような要素も。お酒や食事の提供だけでなく、新聞やチケットなども販売していて「イタリアのバールは生活の中の一部としてあるもの」だと話す。

 

福島:この店も、イタリアのバールのように気軽に立ち寄れて、日常に寄り添える場所にしたかったんです。お客さんの好みに合わせて、思い思いの過ごし方をしてもらいたいので、主にワインを提供していますが、食事もできますし、ワイン以外のお酒やノンアルコールのドリンクもご用意しています。

 

サリュの一杯は、今日も誰かに語りかける。

夕方、食材の仕込みを終えて仕事へ戻るまでの束の間の一杯から、一日を締めくくる一杯まで。

福島さんが表現したリトルイタリアは、「あなたの居場所」にそっと寄り添う空間だった。

 

和やかな雰囲気で、立ち寄りやすい店内。奥の個室には子どもを連れて過ごすお客さんの姿も。

 

 

サリュでは、「本物」に向き合う姿勢がしっかりと感じられる。イタリアンバールに欠かせない、珈琲やエスプレッソもその一つ。徳光珈琲は、福島さんが目指す味を実現するため、立ち上げ当初から携わってきた。本格的なエスプレッソマシンを導入し、機材から味わいに至るまでこだわっている。福島さんが徳光珈琲を選ぶ決め手となったのは、オーナーの徳光さんが「ワインへの造詣が深いところ」だと話す。

 

福島:徳光さんとの出会いのきっかけは、ワインスクールでした。私は当時、イタリアワイン専門の講師をしていて、徳光さんはスクールに通われていました。珈琲の専門でありながら、ワインまで研究される方って、なかなかいないんじゃないかな。実際に、徳光珈琲の豆を使っているいくつかのレストランで食事をして、最後に珈琲を飲んだ時、どれも美味しかったんです。店を始める時には、徳光さんへお願いしようと思っていました。

 

ー 現在扱っているオリジナルのサリュブレンド。どんな珈琲なのでしょう?

 

福島:飲んだ時にス〜っと馴染みながら、肩の力が抜けるような珈琲。なので、酸味穏やか、コクと渋味はミディアムくらいで作っていただいています。

 

徳光さんはワインに対しても理解があるので、私がワインに用いるような表現で「こういう感じで出せるかな?」って言うと、ニュアンスで伝わるんです。「同じ言語で喋れる」って大事なこと。一を聞いて十を知るように、私がサリュブレンドに求める味わいに対して、忠実に再現して下さいました。

 

店内の珈琲に使用しているサリュブレンド。販売も行っている。

 

 

サリュブレンドができるまでの過程で、徳光さんとこんなエピソードも。

 

福島:当時の徳光さんは「一度に試飲するのは3杯まで」と言って、サリュブレンドの味を決めるために、店まで何度も足を運んで下さいました。私としては、申し訳ない気持ちもあり「5〜10種類ほど、一度に試飲する数を増やして下さい」とお願いしたことがあって。ワインにおいてはよく試飲しますし、一度に100種類くらい試飲する日もあるんです。

 

だけれど、徳光さんは「何種類も重ねて試飲すると、珈琲の刺激で前に飲んでいたものが負けてしまう。ちゃんと選んでいただきたいので、少ない数でテイスティングをしていて。なので、また改めて来ます。」と。

想いをかたちにする職人の部分もありながら、相手の声に耳を傾ける姿勢も素晴らしくて、非常にバランス感覚がある方だなと思いました。

 

エスプレッソを使ったイタリアのデザート、アフォガート。自家製バニラアイスにかけていただく。

 

 

誰が来ても、一人一人の心に残る一杯を。

その想いは、店内の壁一面に並ぶワインを見れば納得。サリュでは、イタリア全土のワインを400種類以上取り揃え、お客さんに合わせた一杯を届けている。

 

テキストデータで語られるワインとは違う。福島さんの400分の1の思い入れと共に注がれる一杯をお楽しみ下さい。

そして、リトルイタリアを味わえる珈琲やエスプレッソ、アフォガートもぜひ。

 

 

【徳光珈琲からのメッセージ】

17年ほど前に東京で堀口珈琲に勤務している際、退職して帰省が近くなり、札幌のワインスクールを検索して時に、とあるスクール主催者のブログに学生時代の塾の先生が登場していてビックリ。 そのスクールの主催者が先般登場した〈ラ・ブリック(過去の記事はこちら)〉を立ち上げた方で、そのスクールの先生のひとりが、後のサリュの福島さんでした。

 

スクールの最初の挨拶で「1か月後に石狩で珈琲屋さん始めます!」と宣言して、東京修行時代と同じく、札幌の各レストランへ食事へ。 色々な方との繋がりが今の徳光珈琲を育てていただいていると感謝しています。 サリュさんはその初期の時代から。

オープン初日は、カウンターの内側でお手伝いを。 その時は、まさにイタリアンバール方式の立ち飲みスタイル。今のでっかい暖簾がかかったところのようなものではなく、「THE bar」という先取りで先陣を切った潔さが素敵でした。 初日は終日ごった返していた記憶かあり、ひたすらワイングラスを洗っていました。 数々の顔見知りが訪れる姿を見て、自分事のように嬉かったです。 着座スタイルになりましたが、どでかいカウンターもすっかり馴染んで、今や様々な利用のされ方をしています。 ますますの発展を見守ります!

 

〈店舗情報〉

CANTINETTA SALÙS(カンティネッタ サリュ)

札幌市中央区南3条西3丁目2-2 G DINING SAPPORO 1F

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